熊本県球磨川流域にて「共創の流域治水」の一貫として日本庭園を雨庭へ改修するワークショップを開催しました

熊本県の球磨川流域のあさぎり町にて「共創の流域治水」の一環として、日本庭園の枯山水を生きた山水へと甦らせました。

舞台は古民家を改修した食をテーマとするコミュニティ宿泊施設のリュウキンカの郷。

まず池底に貼られていたモルタルを砕き、牛糞堆肥とコンポストを入れて植物が根を張り雨水が浸透するように整えました。和を感じさせる園芸種、山野草、地元の湿地植物をそこに植えました。雨樋をカットした先には、瀬と淵を生じさせるように石を埋め込んだ遣水を蛇行させ、ゆっくりと雨水を池へ導きます。元々の石組み自体が人吉盆地の山並みのようで、池底に貯留のため窪地を掘り下げたところ、うねり流下する球磨川流域の姿が浮かび上がってきました。

昨年末にこの庭園と出会い、雨庭にしてはどうですか?と話してからあれよあれよと進んだ本プロジェクト。石組みを測量するのはなかなか困難でしたが、襞のように入り組んだ枯山水庭園の空間形成技法の奥深さも知りました。

雨庭を導入することは、庭全体が甦り、建築と庭、雨水と土、生き物と場所、人々の繋がりをリコネクションすることにつながる文化的営みであることを実感した、大変興味深いプロジェクトとなりました。

熊本グリーンインフラ研究会とワークショップで共創いただいた皆様、ありがとう御座いました。

テレビ熊本にワークショップの様子が紹介されたので、期間限定ですが動画のリンクを以下に示します。