八王子市「雨水流出抑制に資するグリーンインフラ活用支援事業」

富士森公園レインガーデンの計画・デザイン、市民協働の促進

富士森公園レインガーデン全景
富士森公園に設けられたレインガーデンの様子

2024年、株式会社ハビタは八王子市において、雨水流出抑制を目的としたグリーンインフラの実装と、 市民が主体的に関われる仕組みづくりに取り組みました。

本業務では、雨庭(レインガーデン)を核とした流域スケールの治水対策の市民参加モデルを検討。 八王子市内の水循環に関する要望・相談情報を分析し、生活に身近な水害リスクを抽出しました。 その上で、指定管理者、造園業組合、市民ガーデナー(グリーンパートナー)を主要なステークホルダーとして位置づけ、 ヒアリング調査と意見交換会を実施しました。

市民による雨庭づくりワークショップの様子
市民ガーデナーとの協働によるワークショップの様子

調査の結果をもとに、各ステークホルダーの現状と課題、支援の方向性を整理し、 地域・事業者主体による自走可能な取組体制(案)を構築しました。 さらにGISによる流域分析や地形・制度・担い手の情報を統合し、 富士森公園を雨庭モデル地区として選定しました。

モデル地区では、市民参加型の「雨庭づくり講座」を開催。 市の水課題やグリーンインフラの基礎を学ぶ座学と、 実際の施工実習を組み合わせ、公園3地点に異なるタイプのレインガーデンを計画・施工しました。 貯留層には焼杉、落ち葉、炭などの有機素材を混合し、 土中環境を改善しながら浸透能を高めるハビタ独自の手法を採用しました。

レインガーデンの植栽と構造
オーガニック素材を用いた貯留層構造と植栽デザイン

これらの実践を通して、参加者が水や土に触れながらグリーンインフラを学び、 ステークホルダー間の理解と機運を醸成。 市民と地域事業者の協働による治水への関与を促進しました。 今後は、モデル地区で得られた知見をもとに、 ステークホルダーと連携した継続的なプラットフォームの形成が期待されます。


Project Information

  • 事業名: 八王子市 雨水流出抑制に資するグリーンインフラ活用支援事業
  • 場所: 東京都八王子市 富士森公園
  • 年度: 2024年度
  • 業務内容: 計画・デザイン、市民協働、ワークショップ運営
  • 主な協働先: 八王子市、指定管理者、造園業組合、市民ガーデナー

株式会社ハビタ | Habita.inc.